なんか初心者向けからえらい離れたことばかり書いているので
ちょっと趣向を変えてみます。

下記の写真どう思います? 実家のテーブルの上の醤油さしです。
初めてX4を買ったその日にCanon EF50mm F1.8 II 単焦点レンズで撮ったものです。
c2611458.jpg


「ふーん、醤油さしだね」写真を見た人はそういう反応です。当たり前です。

ところが、僕は感動しました。なぜかというと、
撮った僕だけが「実物を知っている」からです。
僕だけが実物と写った写真との差を知っている。この点が重要。

実物はこの写真よりも、もっと、もっとチープな物なんです。
普段の生活じゃ見向きもしません。
ところがそれがそこそこ「良い感じ」になっている。
この魔法のような差分撮影者だけが知っている情報なんです。
これが写真の面白い所で、伝えようがないのでなかなか体験者にしか解らない。

「いや、写真なんて誰でも撮ったことあるよ。携帯にみんな付いてるじゃん。」
僕も初めはそう思ってましたね。
正直、X4についてくるキットレンズではあまり感動しませんでした。
極端に言うと、携帯で撮ったときと感覚は同じでした。
なぜなら、ある程度綺麗には撮れますが写真が実物と大して変わらないからです。

下記も同じレンズです。撮影は夜です。部屋の蛍光灯のみでフラッシュ無しです。
F1.8とISO1600という明るさは、フラッシュを必要としません。
というか、人間の目よりも明るい。下記は薄暗い部屋の一角の植木に過ぎません。
f24eb034.jpg


カメラは撮り方を工夫すれば実物を見たままは記録しません
初めのうちは、シャッター切るまでどう変身するかはわからず
その辺でシャッターを切りまくりたくなり、ワクワクします。

次の段階として、
どう撮ればどういう感じになるか想定出来るようになるので
「こんな感じに残したい」という撮影意図を持って撮り始めます。
記録がアートに変わる瞬間です。
レンズのmm数を変える、露出を変える、シャッター速度を変える、PictureStyleを変える、
シルエットにしてみる、モノクロで撮影してみる。
身近にあった物が色んな「顔」を持っていることに気付きます。

さらに次の段階では、
他人の写真に感動できたりします。
その写真の難易度・凄さがわかるようになるからです。
おそらく、プロのピアニストの演奏は、素人よりもピアノをやっていた人の方がより感動できるはずです。
この分野でもしかりです。

F値が明るくてピントの合う範囲が狭く、美しい単焦点レンズは、
シャッターを切るまで何が出てくるかわからない。それほど肉眼とは違う。

なので、残念ながら出てきた結果の写真をいくら載せても
魔法の差分の「面白さ」を伝えることはできないです。

Canon EF50mm F1.8 II 単焦点レンズはCanonの「撒き餌レンズ」と言われます。
「この値段でこんなに撮れるならもっと高いあのレンズはどうなるんだ?!」
といわゆる「レンズ沼」に人をおとし入れるための「撒き餌」なんだそうです(笑)。
そのため、軽く小さくチープにとにかく安く作っていますが、性能だけ強烈に高くしてあります。
130gという超軽量な重さは、ゴツイ5Dmark2や7Dを軽いお散歩カメラに変えてくれます。
X4・7D・5Dmark2と買い換えてもこのレンズを使いまわして撮る人は多いです。

沼にはまる必要はないですが、ほんのちょっとだけ足を入れてみると
「そういう人」と楽しく話ができるようにもなります。


ではまた。