NDフィルタというのは入っている光を落とすサングラスみたいなフィルタで通常はND4とかND8とか固定のフィルターなのですが、可変NDフィルタとは、濃さを可変で調整できるフィルターのこと。
結論からいえば、デジタル一眼動画の場合、可変NDフィルターは必須
理由は以下の通り。
まず、背景をボカしたければ、被写界深度(ピントの合う範囲)を浅く撮る。
一眼ユーザなら、ポートレートのように背景をボカして
人物だけを浮き上がらせた写真の動画版を撮りたいと考えるはず。

ゴミゴミした背景に咲く一輪の花でも、背景をボカしてしまえば
俺の撮りたいモノはコレなんだっ!という自己主張のある映像になります。

さて、F値が小さいほど被写界深度は浅くなり、背景はボケる。
他にも撮影距離や望遠-広角等が関係あるけど、詳細は下記参照。
http://shinddns.dip.jp/
早い話、「背景をボカしたければ絞り(F値)は開放(最小)で撮れ」ということになる。

近視の人はわかると思うが、眼を細めると少し見えるようになるのは
絞りを絞る(F値が大)ことで被写界深度が深くなって遠くまでピントが合うからなのです。

で、単焦点で明るい開放F1.4とかのレンズを買ったとする。
F値が小さいので開放で撮影すれば、背景はとてもボケてくれる。。。。
はずなのだが、これで昼間に写真を撮る場合、F1.4はめちゃ明るいので、
開放にすると光量オーバーで真っ白になってしまう。
そこで写真の場合はシャッタースピードを1/3200とか速くして光量を適正露出にするのだが、
困ったことに動画の場合、基本的にシャッタースピードは1/60とか固定値なのだ。

ISO感度を最低のISO100に設定しても、昼間だとF22とか絞り込まなければ使用できない
これは背景がまったくボケないことを意味する。
下記のNDフィルタの解説動画を見てほしい。Light Craft製の例

上記では、可変NDフィルタをつけずに適正露出へ対応した例が出てくる。

まず、F値を絞って適正露出にした場合は背景にもピントがあってしまう。
(被写界深度が深くなり、意図したポートレートのような画でない)

次に、シャッター速度を1/4000にした場合は、一見成功に見えるが、
動きのあるもの(雨とか)を撮影したらパラパラだ。 
人がもっと動けばプライベートライアンみたいなカクカク映像になるだろう。

従来は複数のNDフィルタを重ねたりして光量調節をしていたのだが、
その場の光の状態によってND何枚とか調節するのは非常に面倒だし微調整もきかない。

この可変NDフィルターは、2枚重ねフィルタを回転させればNDの濃度を調節できてしまう。
簡単に1/60のシャッタースピードのまま、意図したF値で動画が撮影可能になる。

ちなみにビッグカメラやヨドバシカメラでは取り扱っていません。
プロ機材屋でないと無理かも。
Amazonで5000円切ってる安いやつは要注意!解像度がひどいことになるんです。

■各社の可変NDフィルター
L.C.W. Fader ND MK II可変フィルター**77mm【アップグレード品】
2~8stop 今のところ最も評価が高い(というか最も老舗なだけなのか)。
海外動画はこればっかである。基本はこれをお勧めする。
動画にFADER NDと記載されている場合は大抵これを指す。
(ちなみにフェーダーとはフェードイン・フェードアウトと同じ。明るさ調整)。


GENUS GL G-ECLIPSE
F値 2〜8ストップまで、絞り可能。 国内取扱有り。
77mmのNDフィルタの前面のフィルタ径は82mmなので注意。
以前のGNDFに比べ、色温度変化と色ズレを改善




GREEN.LとTiANYA製 非常に安いが評判が悪いためお勧めしない。
破壊されるのは解像度。



Singh-Ray製 Vari ND
2~8stop
海外はこれも多い ただし高価(2倍くらいする)。
http://www.singh-ray.com/varind.html
下記は5DmarkⅡとVari ND使用例。  
http://www.tatsumaki.jp/?tag=5d-mk-ii 
http://vimeo.com/11081983 

Kenko製  バリアブル NDX
国内製では唯一ケンコーのものがあるが、はっきり言って高い。


■可変NDフィルタ使用時の注意点
少しだけ解像度や色に影響が出る。黄味がかるのでWBで補正する必要がある。 

可変NDは大雑把にはPLフィルター2枚重ねのようなものなので
偏光効果があり、反射が消えてしまう問題がある(と書いたが色んな動画を見る限りあまり問題ないかも)。 
付けたり外したりの動画を繋ぐとテイストが異なる場合がある。

ちなみに、「FaderND」で表記されるものは、上記以外にも各社から発売されている。Light Craftの偽モノの類が出回っている模様なので安物は注意。 Nicnaってブランドのは激安だがひどいらしい。。。
5千円切ってるようなやつは要注意。(買った人のブログ

一見作れそうですが、PLフィルタを本当にそのまま2枚重ねしただけでは実現できません。
逆向きに向かい合わせに重ねなければならないはず。

各社いろいろあるんだけれども、絞れる段数と解像度に違いがある。
まがいモノの安いものだとボケ味がガタガタになるらしいです。

LCW製も、200mm以上は解像度が落ちるのでNGとのこと。
(そこまで望遠状態だったら充分被写界深度は浅くなるけど・・・)

購入時の注意点として、フィルタ2枚分の厚みがあるため、ドンピシャの口径を買うと、広角22mm以下(GENUSの場合)は周辺にケラレがでる。大きめの口径を買ってステップアップリングで対応するといいと思う。

また、このフィルターをつけると、前面の径が1段大きくなる。
77mmのNDフィルタの前面のフィルタ径は82mm。
つまり、このNDフィルターを前面に付けた場合、レンズキャップ等は一つ大きいものを用意する必要がある。LCW製はキャップもアクセサリで付いてきますが、GENUSのは付いてこない。
一緒に購入する事をおすすめすします。

さて、たかがフィルターに高すぎるという場合や
解像度や色味など映像に影響が出るのが嫌だという場合、
ケンコーなどの単機能NDのフィルタを使う事になる。

ND16は光量が1/16になるため、4絞り落とせる。ND8の場合は3絞りになる。
F値は1.4、2、2.8、4、5.6、8、11、16、22 なので、ISO100でもF22になってしまうような前出の映像の場合、開放近くに持っていくには6~8絞り落とさねばならないため、
従来からあるND8やND16では機能不足。複数枚必要になってしまう。

2013年にケンコーから濃いNDフィルタPRO NDシリーズが発売された。
 これまたヨドバシとかの店頭には置いていないんだよな。。。
「PRO ND100」は6.7絞り分、
「PRO ND200」は7.7絞り分、
「PRO ND500」は9絞り分、
「PRO ND1000」は10絞り分
減光できるので、F22からF1.4開放へもっていくにはND200かND500が良い。
もしも光量を落とし過ぎた場合は単にISO感度設定を上げればいいだけだ。
この方法で調整を行う場合は、7Dや60DはISO感度が1/3単位なのでX5よりも有利かも。
しかし価格を見る限り、決して安くはない。
複数毎買って使い分けるよりも可変NDの方がお得で楽かな。。。
何が何でも解像度優先ということならPRO-ND複数枚というのもアリの選択。



「可変NDいろいろ」も参照

■可変NDフィルタ使用動画例
使用動画も発掘メモ。 昼間にフィルタなしにここまで背景をボカすことはできない。 
Canon 5D Mark II 
70-200mm f/2.8 IS L 
50mm f/1.4 lens 
FaderND 
Zacuto Z-Finder 
 
 



 

下記はGENUS製